6月のテーマ:あなたの人生の目的(使命)は
―あなたの存在は、神様の深いご意思―
私たちは、なぜこの世に生まれてきたのでしょうか。
何のために生きているのでしょうか。
その答えは、主イエスのこのことばに込められています。
「あなたがたがわたしを選んだのではありません。
わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命したのです。
それは、あなたがたが行って実を結び、そのあなたがたの実が残るためであり、
また、あなたがたがわたしの名によって父に求めるものは何でも、父があなたがたにお与えになるためです。」
— ヨハネの福音書15章16節(新改訳2017)
人生の目的を見失う現代社会
現代社会は多くの人が自分の存在価値に悩み、苦しんでいます。
能力や才能、賜物について「自分には足りない」と感じたり、他人と比べて落ち込んだり、自分を否定してしまうことも少なくありません。
その結果、自分に価値を見いだせず、「生きている意味がない」と思い込んでしまう人もいます。
悲しいことに、自殺を選ぶ人も後を絶ちません。
しかしその根底には、「自分が望むような力を持っていないから」「周りに評価されないから」という思い込みがあります。
それは裏を返せば、「人からの賞賛を得たい」「他人のようになりたい」という自己中心的な願望が傷ついた結果とも言えるのです。
神のご意思によってあなたは生まれた
けれども、聖書ははっきりと語ります。
あなたは、自分の意志でこの世に生まれたのではないのです。
あなたの命は、天地を創られた神様のご意思によって始まりました。
ご両親の出会いや遺伝情報のすべてを超えて、あなたは神の深いご計画の中に置かれています。
この世では、それを「偶然」と言いますが、「偶然」には愛も意味もありません。
しかし、神のまなざしの中では、**すべてが愛と目的と希望に満ちた「必然」**なのです。
例え:神のご計画と時計の部品
たとえば、私たちが腕時計を作ろうとするなら、短針・長針・秒針・文字盤・歯車・ネジなど、たくさんの部品が必要になります。
部品たち自身は、自分の役割がわからず、「なぜ自分だけこんな形なのか」と思うかもしれません。
でも、時計をつくる者にとっては、一つひとつが大切で、どれが欠けても時計は完成しないのです。
同じように、私たちも、自分の能力や立場に不満を感じることがあるかもしれませんが、神様のご計画の中では、すべての人が必要不可欠な存在なのです。
神様の大きなご計画を信じて
今、私たちはまだ神様が準備しておられる「新しい天と新しい地」を十分には理解できません。
でも、幼子が親の手を信頼して歩むように、神様に信頼して今の自分を受け入れることが大切なのです。
創世記では、アダムとエバがサタンの言葉に惑わされ、「神のようになれる」と思って禁断の実を取ってしまいました(創世記3:5)。
それ以来、人は自分の存在や価値を自分で決めようとし、時には自ら命を絶ってしまうこともあります。
でも、神様はあなたを必要として、愛して、計画の中に選んでくださったのです。
星野富弘さんの証し
星野富弘さんという詩画作家をご存知でしょうか。
彼は体操教師として働いていたとき、事故で首から下が動かなくなり、夢を絶たれました。
しかしその苦しみの中で、彼は筆を口にくわえて絵と詩を書くようになり、神様の愛と美しさを多くの人に伝える働きを始めたのです。
もしも彼が教師としての道だけを求め続けていたら、詩画という神様の使命には気づけなかったかもしれません。
神様は、苦しみの中からも新しい使命と実を生み出してくださるお方です。
結びに
あなたは、神様の深いご意思によってこの世に生まれました。
あなたの存在は偶然ではありません。
他人と比べる必要も、落ち込む必要もありません。
神様があなたに与えてくださった「今のあなたの姿」そのものが、
神の国を建て上げるための大切な一部なのです。